メルセデス・ベンツのVクラスといえば、広々とした室内空間と高級感を兼ね備えた人気のミニバンです。しかし、一部では「ベンツなのに意外と安い」という声も聞かれます。
この記事では、Vクラスが「安い」と言われる理由、そして購入を検討する上で知っておくべきポイントを徹底的に掘り下げていきます。Vクラスの魅力はもちろん、デメリットや維持費、ライバル車との比較まで、あなたが後悔しない選択をするために必要な情報を専門家視点でお届けします。

この記事のポイント
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Vクラスが「安い」と言われる背景にある複数の要因
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購入前に知っておきたいVクラスのメリット・デメリット
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Vクラスの維持費や故障に関するリアルな情報
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人気ミニバン「アルファード」との徹底比較

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ベンツ Vクラスは、なぜ安いと言われるのか?その理由を深掘り

メルセデス・ベンツ公式から
メルセデス・ベンツブランドでありながら、「Vクラスは意外と安い」という印象を持つ方がいらっしゃるかもしれません。その背景にはいくつかの要因が考えられます。
まず、Vクラスの成り立ちが関係しています。もともと商用車として設計された経緯があり、その基本骨格を乗用車に応用しているため、他のメルセデス・ベンツの乗用車ラインナップとは異なる価格設定がしやすいという側面があります。
また、日本市場におけるミニバンというカテゴリーの特性も影響しているでしょう。国産ミニバンが非常に強力な競合として存在し、価格競争力も求められるため、戦略的な価格設定がされている可能性が考えられます。
さらに、中古車市場においては、その大きなボディサイズが日本の道路事情や駐車環境にマッチしにくいと感じるユーザーもいることから、需要と供給のバランスで価格が落ち着きやすい傾向が見られます。特に全長5メートルを超えるモデルもあり、取り回しに懸念を持つ声があるのも事実です。
しかし、「安い」という言葉だけで判断するのは早計です。Vクラスにはメルセデス・ベンツならではの安全性や走行性能、そしてステータス性といった、価格以上の価値が備わっています。
Vクラスの新車価格はいくらから?
メルセデス・ベンツ Vクラスの新車価格は、グレードやオプションによって幅があります。
例えば、2024年10月に発表された新型Vクラスのメーカー希望小売価格は、940万円から1370万円(消費税込)とされています。具体的なモデルとしては、「V 220 d」が945万円から、「V 220 d long」が980万円から、「V 220 d extra-long」が1025万円からといった価格設定になっています。最上級グレードや特別な仕様になると、さらに価格は上がります。
決して「安い」とは言えない価格帯ですが、メルセデス・ベンツの大型ミニバンというカテゴリーにおいては、その装備や性能を考慮すると競争力のある価格設定と言えるかもしれません。
Vクラスの中古車価格の現状

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Vクラスの中古車市場を見てみると、新車価格と比較してかなり手頃な価格帯から探すことが可能です。カーセンサーなどの情報によれば、新車時900万円以上するモデルでも、中古車では200万円台後半から見つかるケースもあるようです。
もちろん、年式、走行距離、車両の状態、グレードによって価格は大きく変動します。例えば、2015年式の「V220 d」で走行距離6.9万kmの車両が総額308.9万円(本体価格295.4万円)で販売されている例や、2014年式の「V350 トレンド」で走行距離4.4万kmの車両が総額156.9万円(本体価格138.0万円)といった事例も見受けられます。
このように、中古車であればVクラスをより身近に感じられる価格帯で見つけることができるでしょう。ただし、中古車選びには注意も必要です。
後悔しないために知っておきたいVクラスの評価

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Vクラスの購入を検討する上で、「後悔しないか」という点は非常に重要です。ここでは、Vクラスのメリットとデメリットを客観的に見ていきましょう。
Vクラスのデメリット:購入前に押さえるべき懸念点
Vクラスには魅力的な点が多い一方で、いくつかのデメリットも存在します。
まず、維持費の高さが挙げられます。輸入車であるため、国産車と比較して部品代や修理費用が高くなる傾向があります。定期的なメンテナンス費用も考慮しておく必要があるでしょう。
次に、ディーゼルエンジン特有の音や振動です。近年ではかなり改善されていますが、特にアイドリング時や低速走行時に音が気になるという声も聞かれます。
また、ボディサイズの大きさも日本の環境ではデメリットになり得ます。全長5メートルを超え、全幅も1.9メートル以上あるため、狭い道での運転や駐車場探しで苦労する場面があるかもしれません。特に立体駐車場では全高制限に注意が必要です。
内装に関しても、商用車ベースという背景から、一部に簡素さを感じる部分があるという指摘もあります。例えば、3列目シートのフルフラット機能がない点は、積載性や車中泊などを重視するユーザーにとってはマイナスポイントとなる可能性があります。
Vクラスに乗ってる人のリアルな声:オーナーの評価は?

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実際にVクラスを所有している、あるいは乗った経験のある人の声は参考になります。
ポジティブな評価としては、やはりメルセデス・ベンツならではの走行安定性や安全性を挙げる声が多いです。特に高速道路での安定感は高く評価されており、長距離運転でも疲れにくいという意見が見られます。
ディーゼルエンジンのトルクフルな加速も魅力と感じる人がいます。また、広い室内空間と高級感のある内装は、同乗者からの評判も良いようです。
一方で、ネガティブな評価としては、やはり前述した維持費の高さやディーゼルエンジンの音を指摘する声があります。また、初期のモデルではスライドドアの不具合などが報告されていた時期もありましたが、現行モデルでは改良されているようです。
総じて、Vクラスは独特の魅力を持つ一方で、ある程度の維持費や日本の道路環境への適合性などを理解した上で選ぶ必要がある車と言えるでしょう。
ベンツ Vクラスで後悔しないためのチェックポイント
Vクラスを購入して後悔しないためには、以下の点を事前にしっかりと確認することが重要です。
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ご自身の利用シーンとボディサイズの適合性:日常的に狭い道を通るか、駐車スペースは十分かなどを確認しましょう。標準、ロング、エクストラロングとボディサイズが複数あるため、自分に合ったサイズを選ぶことが大切です。
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維持費のシミュレーション:税金、保険料、燃料代、そして将来的なメンテナンス費用や修理費用も考慮に入れて、年間どのくらいの維持費がかかるのか把握しておきましょう。
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ディーゼルエンジンの特性理解:試乗などを通して、エンジン音や振動が許容範囲か確認することをおすすめします。また、ディーゼル車特有のDPF(ディーゼル微粒子フィルター)の再生などについても理解しておくと良いでしょう。
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中古車の場合は車両状態の確認:特に修復歴の有無、エンジンやミッションの状態、電装系の動作などを細かくチェックしましょう。信頼できる販売店で購入し、保証内容も確認することが大切です。
これらのポイントを事前に確認することで、購入後のミスマッチを防ぎ、満足のいくVクラスライフを送ることができるはずです。
ベンツ Vクラスの気になるポイントQ&A

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ここでは、Vクラスに関してよくある質問とその回答をまとめました。
Vクラス 故障多いって本当?信頼性はどう?
「Vクラスは故障が多い」という声を耳にすることがあるかもしれません。特に初期のモデルでは、電動スライドドアや電子系統の不具合が報告されることがありました。例えば、ナビゲーションシステムのフリーズやエアコンの不調、センサー類の故障などが挙げられます。
ラジエーターの水漏れも比較的よく報告されており、修理費用が高額になるケースもあるようです。
しかし、メルセデス・ベンツも改良を重ねており、特に現行モデル(W447型)では信頼性が向上していると言われています。2代目のVクラスは頑丈なエンジンに仕上がり、故障が少なくなったという評価もあります。
とはいえ、輸入車であること、また電子装備が多いため、国産車と比較すると修理費用が高めになる傾向は否めません。
重要なのは、定期的なメンテナンスをしっかりと行うことです。オイル交換や各種フィルターの交換、バッテリーの状態チェックなどを怠らなければ、大きなトラブルを未然に防ぐことにつながります。
Vクラスの寿命はどのくらいですか?
適切なメンテナンスを行えば、ベンツ Vクラスは長く乗ることができる車です。一般的に、20万km~30万km程度の走行は十分に可能とされています。特にディーゼルエンジンモデルは耐久性が高いと言われており、法人車両などでも長期間使用されているケースが見られます。
ただし、長く乗るためにはいくつかの注意点があります。電子制御部品が多いため、10万kmを超えたあたりからセンサー類の故障が目立ち始めることがあります。また、エアサスペンション搭載モデルの場合は、エアバッグの劣化やコンプレッサーの故障にも注意が必要です。
エンジンオイルやATF(オートマチックトランスミッションフルード)の定期的な交換、バッテリーやブレーキパッドといった消耗品の適切な交換など、基本的なメンテナンスをしっかりと行うことが、Vクラスの寿命を延ばす秘訣と言えるでしょう。
Vクラスの税金はいくらですか?

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Vクラスの自動車税は、搭載されているエンジンの排気量によって異なります。
現行モデルのV220dに搭載されているディーゼルエンジンは、多くの場合2.0Lクラス(1949ccなど)ですので、2019年10月1日以降に初回新規登録された場合の自動車税(種別割)は年間36,000円です(2.0L以下の区分)。
それ以前の登録や、排気量の異なるモデル(例:旧モデルの3.5L V6エンジン搭載車など)では税額が変わってきます。例えば、2.2Lディーゼルエンジン(OM651)搭載車の場合は年間45,000円、V6 3.5Lエンジン搭載車の場合は年間58,000円でした。
また、自動車重量税も車両重量に応じてかかります。Vクラスの場合、車検時に支払う重量税は車両重量によって異なりますが、例えば2.5トン未満の区分であれば年間41,000円(2年分)といった具合です。
正確な税額については、購入を検討している車両の具体的なモデルや年式を確認することが重要です。
Vクラスの燃費はリッター何キロですか?
Vクラスの燃費は、モデル、年式、搭載エンジン、そして走行条件によって大きく異なります。
現行のV220d(ディーゼルモデル)を例に挙げると、WLTCモード燃費で12.6km/L~13.0km/L程度とされています。JC08モードでは14.3km/L~15.3km/Lといった数値も見られます。
実際の燃費としては、街乗りで10km/L強、高速道路ではそれ以上伸びるというユーザーの声もあります。
過去のモデルやガソリンエンジンモデルでは、これよりも燃費が低い傾向にあります。例えば、旧型VクラスのV230(ガソリン)では7.7km/Lというデータもあります。
ディーゼルエンジンモデルは燃料が軽油であるため、ガソリンと比較して燃料費を抑えられるメリットがあります。
Vクラスと国産高級ミニバン「アルファード」を徹底比較

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Vクラスを検討する際に、必ずと言っていいほど比較対象となるのがトヨタのアルファードです。ここでは、両者の違いを様々な角度から比較してみましょう。
Vクラス アルファード 比較:価格と維持費
新車価格帯を比較すると、Vクラスが約940万円から1370万円であるのに対し、アルファードは約540万円から870万円程度と、アルファードの方が購入しやすい価格設定になっています。
維持費に関しては、一般的にVクラスの方がアルファードよりも高くなる傾向があります。これは、Vクラスが輸入車であるため部品代や整備費用が高めであること、また税金面でもVクラスの方が若干高くなる場合があるためです。
アルファードは国産車であるため、部品供給も安定しており、メンテナンス費用を比較的抑えやすいと言えるでしょう
Vクラス アルファード 比較:乗り心地と静粛性
乗り心地に関しては、それぞれ異なる特徴があります。
Vクラスは、メルセデス・ベンツらしいしっかりとした足回りで、高速走行時の安定性に優れています。長距離移動でも疲れにくいという評価が多いです。一方で、ディーゼルエンジンモデルが中心のため、アイドリング時や低速走行時にエンジン音が気になるという意見もあります。
対してアルファードは、乗り心地の柔らかさや静粛性の高さに定評があります。エンジン音やロードノイズが巧みに抑えられており、快適な室内空間を実現しています。ただし、高速道路での安定感という点では、Vクラスにやや分があるという評価も見られます。
Vクラス アルファード 比較:内装の質感と使い勝手
内装の質感については、どちらも高級ミニバンらしく高いレベルにありますが、方向性が異なります。
Vクラスは、質実剛健なドイツ車らしいデザインで、スイッチ類の操作感など細部まで作り込まれています。上質なナッパレザーシートなどが採用され、高級感を演出しています。シートアレンジの自由度も高く、荷室空間も広大です。
アルファードは、豪華絢爛な日本のおもてなし空間といった趣です。広々とした2列目シート「エグゼクティブパワーシート」などは、まさに特等席と呼べる快適性を誇ります。多彩なシートアレンジや豊富な収納スペースなど、使い勝手の良さも魅力です。
どちらを選ぶかは、何を重視するかによって変わってきます。ステータス性や走行性能、ディーゼルエンジンの経済性を求めるならVクラス、快適性や静粛性、国産車ならではの安心感を求めるならアルファード、という選択になるかもしれません。
ベンツは何クラスから高級車になりますか?Vクラスの位置づけ
メルセデス・ベンツのラインナップにおいて、「何クラスからが高級車か」という明確な定義はありませんが、一般的にCクラス以上を高級車と捉える方が多いようです。もちろん、AクラスやBクラスといったコンパクトモデルも、メルセデス・ベンツならではの品質や安全性を備えています。
Vクラスは、その価格帯や装備、そしてメルセデス・ベンツブランドであることから、紛れもなく高級ミニバンに位置づけられます。VIPの送迎や富裕層のファミリーカーとして利用されることも多く、そのステータス性は高いと言えるでしょう。
Vクラス購入の賢い選択:新車 vs 中古車 vs 認定中古車

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Vクラスの購入を考えたとき、新車、中古車、そして認定中古車という選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った選び方をしましょう。
Vクラス 認定中古車という選択肢のメリット
メルセデス・ベンツの「認定中古車」は、厳しい基準をクリアした高品質な中古車です。大きなメリットとしては、充実した保証が付帯している点が挙げられます。
例えば、「サーティファイドカー保証」では、購入後2年間または1年間、走行距離無制限で広範囲な保証を受けることができます。これにより、万が一の故障時にも安心です。
また、正規ディーラーの厳しい基準に基づいた点検・整備が行われているため、車両の品質に対する信頼性が高いのも魅力です。新車と比べて価格を抑えつつ、安心してメルセデス・ベンツのオーナーになれる選択肢と言えるでしょう。
Vクラス 中古で購入する際の注意点と賢い選び方
一般的な中古車販売店でVクラスを購入する場合、認定中古車よりもさらに価格を抑えられる可能性があります。しかし、その分、車両の状態をより慎重に見極める必要があります。
注意点としては、まず修復歴の有無を確認すること。そして、エンジン、トランスミッション、エアコン、電装系などの主要部分が正常に作動するかを細かくチェックしましょう。可能であれば試乗して、異音や異常な振動がないか確認することも重要です。
信頼できる販売店を選ぶことも大切です。保証が付いているか、購入後のアフターサービスはどうかなども確認しておきましょう。予算に余裕を持って、購入後のメンテナンス費用も考慮しておくことをお勧めします。
まとめ:ベンツ Vクラスは、なぜ安いと言われるのか、その真相と賢い選択
「ベンツ Vクラス なぜ安い」という疑問は、その出自や市場での立ち位置、そして中古車市場での価格形成など、様々な要因が絡み合って生まれるものです。決して絶対的に「安い」わけではありませんが、メルセデス・ベンツというブランドの大型ミニバンとして、他のラインナップと比較した場合や、中古車市場での価格を見た場合に、そう感じられることがあるのでしょう。
Vクラスの購入を検討する上で重要なのは、以下のポイントを再確認することです。
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自身のライフスタイルや用途にVクラスの特性(サイズ、ディーゼルエンジン、維持費など)が合っているか。
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新車、中古車、認定中古車のメリット・デメリットを理解し、最適な購入方法を選択できているか。
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車両の状態(特に中古車の場合)や保証内容をしっかりと確認できているか。
これらの点を踏まえ、ご自身の価値観や予算と照らし合わせることで、後悔のない賢明な選択ができるはずです。Vクラスは、正しく理解し選べば、他にはない魅力と満足感を与えてくれる一台となるでしょう。
メルセデス・ベンツVクラスのより詳しい情報や最新モデルについては、公式サイトでご確認いただくことをお勧めします。